「私はなんでなっちゃったんだろう」
「もっと生活に気をつけていれば……」
診断を受けたあと、こんなふうに自分を責めてしまう方は本当に多いです。でも、最初に言わせてください。ほとんどの乳がんに、明確な「原因」はありません。
そのうえで、確率的に「なりやすさ」を高める要因はいくつか分かっています。今日はそれを整理しておきましょう。
大きく分けると4つのカテゴリ
リスク要因は大きく分けると、
リスク要因の4カテゴリ
- 変えられないもの(年齢・性別・遺伝など)
- ホルモンに関わるもの(月経・出産・更年期など)
- 生活習慣に関わるもの(飲酒・肥満・運動など)
- 環境に関わるもの(被ばく歴など)
変えられない要因
- 年齢:40代後半〜60代前半がピーク
- 女性であること:男性乳がんもあるが頻度はごくわずか
- 家族歴:母・姉妹に乳がんの方がいる
- 遺伝性疾患:BRCA1/2 変異など
- 過去の乳腺疾患:非定型過形成・小葉上皮内癌など
これらは「自分のせい」ではどうにもならない部分です。
ホルモンに関わる要因
女性ホルモン(エストロゲン)に、長い期間さらされてきた人ほどリスクが少し高くなります。
- 初経が早い(11歳以下)
- 閉経が遅い(55歳以降)
- 出産経験がない
- 初産年齢が遅い(30歳以降)
- 授乳経験が短い/ない
- 閉経後のホルモン補充療法(5年以上)
- 経口避妊薬(ピル)の使用
生活習慣で多少変えられる要因
- 飲酒:1日1杯以上で少しリスク上昇
- 肥満(閉経後):脂肪組織でエストロゲンが作られるため
- 運動不足:週150分の運動で少し低下
- 喫煙:直接的というより、間接的影響
逆に、運動・適正体重・節度ある飲酒は、リスクをわずかに下げる方向に働きます。
ただし、生活習慣だけで予防できるわけではありません。日々の暮らしを整えるのは健康にいいことですが、それだけで乳がんが防げるわけではない、というのが正直なところです。
自分を責めなくていい理由
「あのとき酒を控えていれば」「もっと運動していれば」って自分を責めるエネルギーは、これからの治療に使ってあげてほしいんだ。
いちばん大事な「リスクを減らす行動」
「これからリスクを下げるためには?」と聞かれたら、答えはひとつ。
定期的な乳がん検診を受けること。
リスクをゼロにする方法はありませんが、早く見つけることはできます。早く見つかればステージⅠの段階で治せて、5年生存率はほぼ99%。
詳しくは No.1016 乳がん検診 をご覧ください。