乳がんと診断されると、手術の前に乳房MRIを撮ることが多いです。
「マンモとエコーで分かったのに、なんでまたMRI?」と思う方も多いはず。今日はその理由を解説します。
MRIは「磁石で体の中を撮る」
MRIは、強力な磁石と電波を使って、体の中を撮影する装置です。レントゲンとは違って放射線を使わないので、被ばくはゼロです。
乳がんのMRIでは、
- 大きなトンネル状の装置に入る
- うつ伏せになり、乳房を専用の穴に入れる
- 撮影中はカチカチ大きな音がする
- 30〜40分くらい動かずにじっとする
という形で行われます。
なぜMRIが必要なの?
乳房MRIには、マンモやエコーでは見えにくいことを確認する役割があります。
MRIで分かること
- がんの正確な大きさ・広がり
- 同じ乳房内に「他にもがんがあるか」(多発性)
- 反対側の乳房に異常がないか
- 周囲の組織(皮膚・筋肉)にがんが広がっていないか
- 乳管内の進展具合
これらは、手術の方法を決めるうえでとても大事な情報です。特に、
- 部分切除か全摘か
- どこまで切除するか
- 反対側の予防的処置はどうするか
を判断するのに役立ちます。
「造影」MRIとは
乳房MRIは、ほとんどの場合「造影剤」を使って撮影します。
造影剤は、検査前に点滴のような形で腕の血管から入れます。
注意したいこと
金属が体内にあるとダメ
MRIは強力な磁石を使うので、体内に金属があると検査ができないことがあります。
MRIで申告が必要なもの
- 心臓ペースメーカー(条件付きで対応可な機種もあり)
- 人工内耳
- 動脈瘤クリップ
- 体内に残った金属片(手術歴・事故歴)
- 入れ墨・アートメイク(鉄分を含む顔料がある)
- 金属のアクセサリー(はずす)
事前の問診で必ず聞かれます。心配なものがあれば必ず申告してください。
閉所恐怖症
トンネルの中に入るので、閉所恐怖症の方は事前に申告を。「オープン型MRI」が使える施設もありますし、必要なら鎮静剤を使うこともできます。
造影剤アレルギー
造影剤で過去にアレルギーが出たことがある方は、事前に申告してください。
MRIで「他にも怪しいところ」が見つかったら
実は、MRIで反対の乳房や、同じ乳房内の別の場所に怪しい影が見つかることがあります。
これを「Additional finding(追加所見)」と言いますが、実際に追加で組織検査をしてみると、ほとんどは良性のことが多いです。
ただ、追加の検査・処置の判断は必要になります。主治医とよく相談しながら、進めていくことになります。