手術は「がんを取る」だけが目的ではありません。
取った組織を詳しく調べることで、術前には分からなかったことがいくつも判明します。これがその後の治療を決める情報になります。
手術後の病理検査で分かること
術後病理で確定すること
- 最終的なしこりの大きさ(pT)
- リンパ節転移の有無と個数(pN)
- 浸潤の有無(非浸潤癌か浸潤癌か)
- グレード(3段階)
- ER/PgR/HER2/Ki-67の最終値
- 脈管侵襲(血管・リンパ管に入っているか)
- 切除断端(取り残しがないか)
- 特殊型かどうか
これらすべてを総合して、**pStage(病理学的ステージ)**が決まります。
なぜ術前の予測と違うことがあるの?
針生検は「点」のサンプル、手術は「全体」のサンプル。
針生検で取ったわずかな組織と、しこり全体では、
- 部位によってサブタイプが違う(モザイク状)
- 大きさの推定が違う(画像 vs 実測)
- 隠れていた浸潤が見つかる
- 想定外のリンパ節転移
ということが起こります。だから「術前と術後で説明が変わった」ということが起こり得ます。
術前と術後でサブタイプが変わることも
頻度は低いですが、術前の針生検と術後でサブタイプの判定が変わることがあります。
- 針生検:ホルモン陰性 → 手術後:弱陽性
- 針生検:HER2 2+/FISH陰性 → 手術後:HER2 3+
このような場合、術後の判定を優先することが多いです。