乳がんの遠隔転移でいちばん多いのが骨転移。
骨そのものですぐに命に関わることは少ないですが、痛み・骨折・神経圧迫といった日常生活への影響が大きいので、しっかり治療していきます。
骨転移の症状
主な症状
- じっとしていても出る骨の痛み(夜間に多い)
- 動いたときの痛み
- しびれ・まひ(背骨の場合、神経圧迫)
- 病的骨折(軽い負荷でも骨が折れる)
- 高カルシウム血症(吐き気・だるさ・意識混濁)
検査
- 骨シンチグラフィー:全身の骨を一度に評価
- CT・MRI:詳細な評価
- PET-CT:他の転移と一緒に
治療:複数を組み合わせる
① 全身治療
ホルモン療法・抗がん剤・抗HER2療法など、サブタイプに応じた治療。
これががんそのものへの対策の柱。
② 骨修飾薬(骨を守る薬)
骨転移特有の薬を併用します。
主な骨修飾薬
- ゾレドロン酸(ゾメタ):4週ごとの点滴
- デノスマブ(ランマーク):4週ごとの皮下注射
- 骨折予防・痛み軽減・高カルシウム血症の予防
- 顎骨壊死のリスク(歯科治療前に申告)
③ 放射線治療
痛みのある場所に、ピンポイントで照射。
- 数回〜2週間程度
- 70〜90%の方で痛みが軽くなる
- 骨折リスクを下げる
④ 手術
- 大きな骨折リスク → 予防的に固定
- 病的骨折 → 手術で治す
- 脊椎の神経圧迫 → 緊急手術
⑤ 痛みのコントロール
オピオイド(医療用麻薬)を含めた鎮痛薬で痛みを抑える。詳しくは No.2040 痛みのコントロール を。
顎骨壊死に注意
骨転移と長く付き合う
骨転移そのものは、肺や肝臓の転移より進行が穏やかなことが多いです。
- 適切な全身治療+骨修飾薬で何年も安定
- 痛みのコントロールで生活の質を保てる
- 「骨転移=終わり」ではない