脱毛のメカニズムと頭皮ケア

抗がん剤の副作用のなかで、もっとも目に見えて心の負担が大きいのが脱毛です。

「いつから抜ける?」「全部抜ける?」「元に戻る?」を整理します。

なぜ抜けるのか

抗がん剤は、増えるスピードが速い細胞を狙います。

髪の毛は、毛根の根元にある毛母細胞が活発に分裂しているおかげで伸びています。この細胞が抗がん剤に巻き込まれて、髪の毛を作り続けることができなくなる→抜ける、という仕組み。

薬による脱毛のパターン

抗がん剤と脱毛の傾向

    • ほぼ確実に脱毛:EC/AC療法、タキサン系(ドセタキセル・パクリタキセル)
    • かなり脱毛:エリブリン
    • 部分的:ゼローダ
    • ほぼなし:ホルモン療法、抗HER2薬、フルベストラント

いつから抜ける?

通常、抗がん剤投与から2〜3週間後から抜け始めます。

「最初の点滴の翌日に全部抜けた」ということは、ほぼありません。少しずつ、束で抜けるようになっていく感じです。

どこが抜ける?

頭髪だけでなく、

  • 眉毛、まつ毛
  • 体毛(脇・腕・足)
  • 陰毛

全身の体毛が抜けることがあります。鼻毛が抜けると鼻水が出やすくなる、まつ毛がないと目にゴミが入りやすい、といった生活上の問題も出ます。

元に戻る?

はい。ほぼ全員、元に戻ります

  • 治療終了2〜3ヶ月後:産毛が生え始める
  • 半年後:5cm程度
  • 1年後:肩までくらいに

ただし、

  • 質感が変わることがある(くせ毛になる、逆にまっすぐになる)
  • 色が一時的に変わる
  • 一部の薬(タキサン系の高用量)では、ごくまれに「持続性脱毛」がある

頭皮ケアのコツ

抜けている期間の頭皮ケア

    • 刺激の少ないシャンプー(アミノ酸系など)
    • ぬるま湯で優しく洗う
    • ドライヤーは弱風、短時間
    • 直射日光を避ける(帽子・スカーフ)
    • 寝るときの摩擦に注意(ナイトキャップ)

頭皮冷却で予防する方法も

「頭皮冷却」という方法があります。抗がん剤投与中に頭皮を冷却することで、毛根への血流を減らして抗がん剤の影響を抑えます。

ただし、

  • 完全に防げるわけではない
  • 自費で高額
  • 投与時間が長くなる
  • 効果は薬による

ので、希望する方は主治医に相談してみてください。

まとめ