ホルモン療法の中心になる、2つの薬。
- タモキシフェン
- アロマターゼ阻害薬(AI剤)
どう使い分けるかを解説します。
それぞれの仕組み
タモキシフェン
がん細胞の「食べる口」(エストロゲン受容体)にくっついて、エストロゲンが結合するのを邪魔する薬。
- 閉経前後どちらでも使える
- 飲み薬、1日1回
アロマターゼ阻害薬(AI剤)
エストロゲンを作る酵素「アロマターゼ」を阻害する薬。
- レトロゾール(フェマーラ)
- アナストロゾール(アリミデックス)
- エキセメスタン(アロマシン)
- 閉経後でないと効かない(卵巣からの大量のエストロゲンには対抗できない)
- 飲み薬、1日1回
使い分け
基本の使い分け
- 閉経前:タモキシフェン(基本)
- 閉経後:AI剤が標準
- 閉経前で高リスク:タモキシフェン+LH-RHアゴニスト、またはAI剤+LH-RHアゴニスト
- AI剤に副作用が強い閉経後:タモキシフェンに変更
副作用の比較
タモキシフェン
- ホットフラッシュ
- 子宮体がんリスクの軽度上昇
- 血栓症リスク
- 肝機能異常
- 関節痛は比較的少ない
AI剤
- ホットフラッシュ
- 関節痛・筋肉痛が特徴的
- 骨粗鬆症
- コレステロール上昇
- 子宮体がん・血栓のリスクは低い
効果の比較
閉経後では、AI剤の方がやや効果が高いと報告されています(差は数%程度)。閉経前では差はあまりありません。
切り替えのパターン
切り替えのスケジュール例
- タモキシフェン5年だけ
- AI剤5年だけ
- タモキシフェン2〜3年→AI剤2〜3年
- AI剤2〜5年→タモキシフェン延長
- どちらかを10年延長
リスクや副作用、患者さんの希望で組み合わせます。