これまでHER2は「陽性」か「陰性」かの2択でした。
でも、エンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)の登場で、「HER2 low」「HER2 ultra low」という新しい分類が重要になりました。
何が変わったの?
エンハーツは、HER2にくっつく抗体に強い抗がん剤をつけたADC(抗体薬物複合体)です。
驚いたことに、HER2が「少しだけある(=陽性ではない)」乳がんにも、エンハーツが効くことが分かってきました。
HER2 lowとは
HER2の新分類
- HER2陽性:IHC 3+ または IHC 2+/FISH陽性
- HER2 low:IHC 1+ または IHC 2+/FISH陰性
- HER2 ultra low:IHC 0でもごくわずかな染色がある
- HER2 zero:完全に陰性
どんな人が対象?
HER2 lowは、
- ホルモン陽性HER2陰性とされてきた乳がんの約60%
- トリプルネガティブとされてきた乳がんの約30%
つまり、これまで「HER2陰性」とされてきた多くの患者さんが、新たにエンハーツの対象になる可能性があるということです。
ultra lowへの拡大
最近の研究(DESTINY-Breast06試験)で、IHC 0でも「ultra low」と呼ばれるごくわずかな染色がある乳がんにも、エンハーツが効くことが報告されました。
今後さらに対象が広がる可能性があります。