「全摘か部分切除か」だけが乳がん手術の選択肢、と思っていませんか?
実は、乳がん手術には大きく分けて6種類あります。それぞれの違いを見ていきましょう。
① 乳房部分切除術(Bp)
しこりとその周辺だけを切り取る方法。乳房の形をできるだけ残します。
- 適応:しこりが比較的小さい、乳房に対する割合が小さい
- 術後:基本的に放射線治療を追加
- 乳房は残るが、形に変化が出ることはある
② 乳房全切除術(Bt)
乳房全体を取り除く方法。
- 適応:しこりが大きい、複数箇所にある、放射線が使えない
- 術後:原則として放射線なし(高リスク例は照射)
- 同時または後日に乳房再建が選べる
③ 皮膚温存乳房全切除術(SSM)
乳房は全部取るが、皮膚は残す方法。
- 主に同時再建をする方向け
- 再建後の見た目がより自然に
- 乳頭・乳輪は切除する
④ 乳頭乳輪温存乳房全切除術(NSM)
乳房は全部取るが、皮膚と乳頭・乳輪も残す方法。
- 同時再建を前提
- 仕上がりがいちばん自然
- ただし、乳頭の血流障害や、乳頭部分の取り残しリスクなどの懸念あり
⑤ 縮小乳房切除術(オンコプラスティック)
部分切除+形成外科的な工夫で、左右のバランスを取りつつ、しこりも取る方法。
- 大きなしこりがある乳房に
- 左右差を最小限にする
- 美容的にも比較的良好
⑥ ハルステッド手術(現代では行わない)
参考までに:かつては大胸筋まで切除する「ハルステッド手術」が行われていましたが、いまは原則として行いません。