ホルモン療法を長く続けていると、いずれ「効かなくなる」ことがあります。これをホルモン抵抗性と呼びます。
ホルモン抵抗性の2タイプ
抵抗性の分類
- 原発性抵抗性:最初から効かない(または短期間で効かなくなる)
- 二次性抵抗性:当初効いていたが、後から効かなくなる
ほとんどは「二次性抵抗性」で、ホルモン療法を5年・10年と続けるなかで起こります。
なぜ抵抗性が生じるのか
がん細胞が「ホルモンを断つ作戦」に対抗するため、
抵抗性のメカニズム
- ESR1変異:エストロゲンなしでも受容体が活性化
- PIK3CA変異:別の経路で増殖シグナル
- AKT/mTOR経路の活性化
- HER2の獲得
- がんが「ホルモン非依存」に進化
抵抗性が出たらどうする?
まず変異を調べます。
変異別の対応
- ESR1変異あり:経口SERD(エラセストラント等)の選択肢
- PIK3CA/AKT/PTEN変異あり:カピバゼルチブ
- 抵抗性が強い:抗がん剤への切り替え
- HER2 lowに変化:エンハーツ
治療を変えるタイミング
「効かなくなった」の判断は、
- 画像で病変の増大
- 腫瘍マーカーの上昇
- 新しい症状の出現
これらを総合して、主治医と相談して決めます。
進化する治療
ホルモン抵抗性に対する治療は、いま最も研究が進んでいる分野のひとつ。
- 経口SERD(フルベストラントの経口版)
- AKT阻害薬
- PROTAC(タンパク質を分解する新しい仕組みの薬)
など、新しい武器が次々登場しています。