「彼に(夫に)どう伝えたらいい?」
「ショックを与えてしまうのが怖い」
パートナーへ乳がんを伝えるのは、本当に勇気がいります。
まず大前提として、がんのことをパートナーにどう伝えるかは、あなたの完全な自由です。そこに医学的な正解・不正解はありません。
そのうえで、この記事では、「伝える側」も「伝えられる側」もなるべく負担が少なくなるような伝え方のヒントを、ブレきゃん流に整理していきます。
※この記事は「患者さんのための乳癌診療ガイドライン2023年版」を参考にしています
自分が納得するための時間を確保する
診断を受けたばかりだと、自分も整理がついていません。
「すぐ伝えなきゃ」と焦らず、
- 自分自身が情報を理解する
- 少し落ち着いてから伝える
- 涙が出ても泣ける場所で伝える
と、まずはご自身の状況を整理してから伝えることも大切です。
「心配をかけたくないから話さない」の多くは逆効果
「夫(妻)に迷惑や心配をかけたくないから、病気のことは詳しくは話さないでおこう」
そう考える方は少なくありません。
でも、これはかえって逆効果になることがあります。パートナーは、あなたの状況が分からないぶん、かえって不安になり、どう接していいか分からなくなってしまうからです。
「どうせ分かってくれない」「これ以上心配をかけたくない」と思っても、まずは自分が感じていること、不安や悩みを、少しでも言葉にして話してみてください。気持ちを全部わかってもらうのは難しくても、まずは一歩、歩み寄ってみましょう。
伝えるタイミングの目安
- 確定診断が出てから(疑いの段階ではなく)
- 自分が情報を一定程度整理できてから
- 落ち着いて話せる場所と時間を選んで
- できれば二人きりの時間に
伝え方の3つのコツ
① ストレートに、でも短く
「実は、乳がんが見つかりました」
最初は短く、シンプルに伝えるのがコツ。詳細はあとから少しずつ伝えていくのでかまいません。
② パートナーにも整理する時間をあげる
伝えた直後は、相手もショックを受けます。「すぐに何かを決めないといけないわけではない」と伝えることも大事。
ここで自分の方が辛い状況なのにと思ってしまう方もいると思います。
でも、パートナーの方もこれからの乳がん治療の道のりを一緒に歩くことになります。
ご自身のためにも、お互いを尊重した関係を心がけることが大切です。
③ してほしいことを具体的に
具体的にしてほしいことを伝えると、相手も動きやすくなります。
逆に、具体的に伝えないと、パートナーがあなたのためにと思って行った行動が、時にあなたを傷つけてしまう可能性があります。
たとえば...
- 「一緒に病院に来てほしい」
- 「治療方針を一緒に聞いてほしい」
- 「家事を少しずつ分担してほしい」
- 「ただ、そばにいてくれるだけでいい」
パートナーの反応はいろいろ
伝えたあとの反応は人それぞれ。
- 一緒に泣いてくれる
- 言葉を失う
- 「大丈夫だよ」と励ます
- 詳しく聞こうとする
- 戸惑って沈黙する
どの反応も自然なものです。人によっては、相手の反応が想定と異なり、「もしかして私愛されていない?」「大切に想われていない?」と感じてしまうかもしれません。
でも、必ずしもそうとは限りません。
パートナーも、突然のニュースに対応するのに時間がかかるんだ。
最初の反応で判断せず、長い目で一緒に向き合っていけるか、を見ていくことが大切。
関係性と伝え方
ひとくくりに「パートナー」といっても、関係性はさまざま。
少しずつ向き合い方も異なります。
結婚相手の場合
長期的な家族の問題として、医療・経済・生活全般を一緒に考えていけます。
関係性が深い分、課題も多く、様々な壁にぶつかります。今こそ家族の絆を発揮するとき。
医療関係者や社会サービスをふんだんに利用して乗り越えていきましょう。
恋人(結婚前)の場合
「自分とパートナーがこのまま関係を続けられるか」を相手に問う形になることも。
これはお互いにとって試練ですが、本当の絆を確認する機会でもあります。
ここで大切なのは、診断されてすぐに重大な決断をしないこと。
焦って決断すると後で後悔してもしきれません。
別居・離婚調停中の場合
レアケースですが、法的な側面もあるので、弁護士やソーシャルワーカーに相談を。
相手に直接連絡する前に相談することが大切です。
伝えたあとに大事なこと
外来での治療が中心になると、一人で受診することも増えます。
そんなときも、治療の経過や主治医と話した内容を、折に触れてパートナーに伝えておきましょう。
大事な説明を聞くときは、できれば同席してもらってください。
- 一緒に主治医の話を聞く機会を設ける
- 不安を共有する時間を作る
- お互いの限界を認める(毎日完璧には支え合えない)
- 自分のことも大事にする時間を確保
まとめ
※この記事は一般的な医学情報です。実際の治療方針は、病状、検査結果、体調、価値観によって異なります。必ず主治医と相談してください。