抗HER2療法の中心は、HER2アンテナを狙い撃つ抗体です。
ハーセプチンを筆頭に、複数の薬があります。仕組みを見ていきましょう。
トラスツズマブ(ハーセプチン)
HER2陽性乳がんの治療を一変させた革命的な薬。
ハーセプチンの作用機序
- HER2のアンテナにくっつく
- アンテナを介した増殖シグナルを遮断
- 同時に免疫細胞を呼び寄せて、がん細胞を攻撃させる(ADCC)
- 1年間の投与が標準
ペルツズマブ(パージェタ)
ハーセプチンと別の場所にくっつく抗体。
- ハーセプチンと組み合わせて使う
- HER2同士の結合(二量体化)を防ぐ
- ハーセプチン単独より効果アップ
フェスゴ
ハーセプチン+パージェタの皮下注射版。
- 点滴ではなく皮下注射
- 投与時間が大幅に短縮
- 通院負担が軽減
ADCC:免疫を呼び寄せる
ハーセプチンは抗体なので、Fc部分が免疫細胞を呼びます。
- 抗体ががん細胞にくっつく
- そこに免疫細胞(NK細胞など)が集まる
- がん細胞を破壊する
これがADCCと呼ばれる効果です。
主な副作用
抗HER2抗体の副作用
- インフュージョンリアクション(投与時のアレルギー)
- 心臓機能低下(駆出率低下)
- 軽い倦怠感
- 軽い吐き気
特に心臓機能低下は要注意。アンスラサイクリンと併用するとリスクが上がります。